経済

人口は減るのにソウルの住宅価格は上がる

メイプルストーリーが示した需要集中の仕組み

ソウルのマンション売買価格が88週連続で上昇し、過去最長の上昇記録を更新し続けるなか、2025年9月、会社員向け匿名コミュニティー「ブラインド」に投稿された記事が、少子化と不動産市場の関係を新たな視点から説明し、関心を集めました。

韓国銀行所属と表示された匿名の投稿者は、幼い頃に楽しんだオンラインゲーム「メイプルストーリー」のサーバー人口の変化とアイテム価格を例に挙げ、全体の人口が減っても、需要が集中する地域の価格は異なる動きを見せることがあると主張しました。

「子どもの頃、メイプルストーリーというMMORPGに夢中だった

メイプルストーリーはピークを迎えた後、次第に衰退してユーザー数が減ったけど、

ユーザー数が減るメイプルと、少子化で人口が減る韓国は、何だか似ている気がする

当時、僕はユーザー数が最も多いスカニアというサーバーでビショップを育てていた

メイプルをやめるユーザーが増えて、プレーする人が減れば、当然、狩り場は空くはずだろう?」

全体の利用者減少と人気サーバーへの集中

「ところが、どうしたことだろう? メイプルのユーザー数は減っているのに、狩り場はかえって混雑するんだ

子どもの頃は不思議に思った。メイプルをやめる人が多いのに、なぜこんなに人が多いんだろう?

それは、僕が最も人の多いスカニアサーバーにいたからだった。

逆に、ほかのサーバーでは狩り場ががら空きになるほど人が急減していたのに、スキニアサーバーではそれを感じなかったんだ。

メイプルのユーザーが減れば減るほど、残ったユーザーは、まだ人の多いスカニアに集まるんだ。

スカニア以外のサーバーでは、パーティーメンバーを探すのもアイテムを取引するのも、とても難しくなるから、

まだ人が残っているスカニアに集まったわけだ」

投稿者が活動していたのは、メイプルストーリーを代表する人気サーバーの一つ、スカニアです。ゲームを離れる人が増えるなかでも、自分が使っていた狩り場はかえって混雑したという経験を紹介しました。

利用者の少ないサーバーではパーティーメンバーを集めたりアイテムを取引したりするのが難しくなる一方、人の多いサーバーではこうした活動を続けやすいため、利用者の集中が強まる可能性があるという説明です。

これは、特定のサービスや地域に利用者が集まるほど、その場所の利便性や有用性が高まる「ネットワーク効果」に似た現象と捉えられます。

韓国でも進む首都圏への集中

行政安全部の住民登録人口統計によると、韓国の人口は2023年12月の5,132万5,329人から2026年9月には5,108万2,431人となり、24万2,898人減少しました。

一方、同じ期間に首都圏の人口は2,601万4,265人から2,612万5,375人へと11万1,110人増加し、首都圏以外の人口は35万4,008人減少しました。

ソウルの人口は減少したものの、京畿・仁川の人口増加によって首都圏全体の人口比率は上昇しました。全国的な人口減少と、特定の地域への人口集中が同時に起こり得ることを示しています。

雇用や教育機関、交通・医療施設など生活インフラの集積は、特定の地域への選好を生み、こうした差は人口移動や住宅需要にも影響を及ぼす可能性があります。

サーバー移転支援と地方の住宅政策

「これって……人口が減るほど人々がソウルに集まるのと、どこか似ていると思う

メイプルの運営側もスカニアへの一極集中を嫌って、もともとはキャラクターを別のサーバーに移せなかったのに、移せるようにして

別のサーバーに行けば少し特典も付けた。運営側は、スカニア、つまりソウルにいる人たちに、別のサーバー、地方へ行ってほしかったんだけど

逆にほかのサーバーのユーザーがチャンスだと言って、みんなスカニアに集まってきた(笑)

公企業を地方に移そうが、地方のインフラを整えようが、みんなソウルに集まるのとどこか似ていると思った」

メイプルストーリーは、利用者が既存のキャラクターを別のワールドに移せる「ワールドリープ」イベントを実施してきました。イベントによっては、メルやユニオン関連の資産を移せる機能も提供しました。

韓国政府も、人口減少地域での住宅取得税の減免や、地方で完成後も売れ残った住宅の取得支援、セカンドホームの税制特例などを通じ、地方の住宅市場における需要の活性化を図っています。

ただ、サーバー移転はゲーム内の利用環境を変える仕組みである一方、地方住宅への税制支援は住宅取得の負担を軽減する政策です。制度ごとの目的や効果を同一視することはできません。

希少アイテムと好立地の不動産に見られる価格差

「それに、メイプルをやめる人が増えるから、メイプルのアイテムも安くなると思っていた。

その考えは半分だけ正しかった。低レベルで価値の低いアイテムは、ただでも要らないほど値崩れした

でも、高レベルで価値の高いアイテムは、むしろ価格が上がり続けたんだ

特に最高ランクの超レアアイテムは、ゲーム内通貨では取引できないほど、とんでもなく高騰した(笑)」

投稿者は、利用者が減ってもすべてのアイテムの価値が下がるわけではないとし、安価な装備と最高級の希少な装備では需要が異なる動きを見せた経験を、不動産市場になぞらえました。

2023年にメイプルストーリーの利用者が公開したオーロラワールドのオークション販売記録では、リストレイントリング・レベル4の平均価格が2022年10~12月の166億5,700万メルから2023年7~9月には214億1,500万メルに上昇した事例が確認できます。

ソウルのマンション売買価格も2025年から上昇を続け、2026年9月に86週連続上昇の記録を更新した後、10月12日時点で88週連続の上昇となりました。

メイプルストーリーのスカニアとソウルがまったく同じ構造だとは言えません。それでも、利用者や人口の全体的な減少以上に、人々がどこに集まり、何を好むかが重要になる場合があると考えさせられる話です。

メイプルストーリーのスカニアサーバーとソウルの不動産市場は似ていると思いますか?

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