10月5日、ウォン・円相場は取引時間中に100円当たり850ウォンを下回り、約3年ぶりの安値圏に入りました。
日本銀行が利上げを進めているのに、なぜ円の反発は続かないのでしょうか。

7月末には米国と日本による協調的な円買い介入が、9月初めには日本銀行の利上げ期待が円の反発を促しましたが、その後、上昇分の一部を失いました。
ただし、ウォン・円相場にはウォンの値動きも反映されるため、円そのものの動きを見るにはドル・円相場も併せて確認する必要があります。

米国と日本の金利差、そして低金利の円を借りてほかの資産に投資する「円キャリー取引」は、長らく円安の背景として挙げられてきました。
10月6日時点の政策金利は米国が3.75~4.00%、日本が1.25%と差が残るなか、最近は高市早苗政権の経済政策や日本銀行の今後の人事も、新たな変動要因として注目されています。

「サナエノミクス」と呼ばれる高市政権の経済政策は、減税と投資を通じて成長を促す構想で、政府は財政規律も併せて守ると強調しています。

日本の2026年度一般会計当初予算は約122.3兆円で、このうち新規国債の発行で賄う額は約29.6兆円と、全体の24.2%を占めます。
ただし、国債への依存度は2022年より低下しているため、この数字だけで日本の財政が悪化し続けていると解釈するのは難しいところです。

今後注目すべきは、追加の減税や投資に必要な財源をどう確保するかです。政府は減税のために赤字国債を発行しないと表明していますが、具体的な財源確保策は依然として課題です。

日本銀行内の採決も注目点です。9月に政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げる決定には、政策委員9人のうち7人が賛成し、2人が反対しました。

反対票を投じたアサダ・ドイチロウ氏とサトウ・アヤノ氏は、いずれも今年、高市政権が指名して任命された委員です。2人は景気や物価の状況などを理由に、利上げには慎重な姿勢を示しました。

来年7月、2人の任期が満了します
利上げに積極的な高田創氏と田村直樹氏の任期は2027年7月23日に満了する予定です。高市政権が続き、金融緩和に前向きな後任が任命されれば、その後の利上げペースにも影響が出るとの懸念があります。

ただし、日本銀行は実際に6月に続き9月も利上げし、政府も財政規律を強調しています。反対票や人事への懸念だけで、日銀の独立性がすでに損なわれたと結論づけるのではなく、今後の決定を見守る必要があります。

同じ年末でも異なる見通し
MUFGが10月1日に発表した見通しでは、2026年末のドル・円相場を1ドル=155円と予想しました。一方、Reutersが9月22日に報じたUBPの予想は160円で、同じ年末を見据えていても予想水準には差がありました。

今後の円相場の方向を見極めるには、減税と投資に必要な財源が具体化するか、日本銀行が利上げを続けるか、そして任期満了を迎える政策委員の後任に誰が指名されるかを併せて確認する必要があります。

円が再び力を取り戻せるか、市場は今回の利上げ後の決定にも注目しています。




